休憩至上ism

よく勉強してよく休む

ドイツ日記-ユダヤ博物館、マウアーパークなど週末-

今週末は日本から来客があった。

ドイツにきて最初の一週間、初めましての人も慣れないことも多かったけれどなんとか生き抜いてきた、そのご褒美。

美術館でも博物館でも人とお喋りしながら気付くこともある。

 

ユダヤ博物館へ行った。

常設展の一部(イスラエルの彫刻家メナシェ・カディシュマンによるインスタレーション)は改装中のようだったが、主な展示はみることができた。

ユダヤ人やユダヤ教やその歴史については予習不足であった。展示の内容を推測、予測しながらみたり説明を読んだり、たまに推理した。

 

ユダヤ教キリスト教イスラム教にならぶ世界三大一神教のひとつである。

ユダヤ教徒の数は非常に限られており、世界に1450万人~1740万人だと言われている。

 

この博物館は全体に床に傾斜がかかっており

第二次大戦中のユダヤ人の運命である「亡命の軸」「ホロコーストの軸」「継続の軸」

という3ルートで出来ている。

 

 

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ホロコーストの軸では徐々に居場所を失い、追われ、人権までもが制限されていくユダヤ人の記録が残されている。

最初は田舎の町での居場所がなくなっていったらしい。

展示に写っている立て看板は「ユダヤ人を歓迎しない」という意味のものである。

その後、大きな街にも居場所がなくなり、ユダヤ人は洋服にマークを縫い付けることを義務付けられたり職業的な制限をうけたりする段階を経て大量虐殺されるにいたる。

 

この博物館での「傾斜」はこのような、信じられないほど残虐な結果へと、世間が徐々に徐々に向かっていった様子を表しているようにも思えた。

この軸の先に無機質でほとんど光の入らない小さい空間「ホロコーストタワー」がある。

 

 

ユダヤ人のホロコーストに向かう道の最初は人々の単なる"unwelcome"(歓迎しない)だったのである。

私たちも差別に対してもっと敏感になる必要があるのではないだろうか。

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これは「亡命の軸」の先にある有名な「亡命の庭」

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これと同じものが他のところにもあると聞いた。ベルリン滞在中に訪れてみたい。

 

 

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マウアーパークのフリーマーケットに行くために少し移動をして、お昼を食べることにした。

マウアーパーク近くの"Patta - Finest Baked Potatoes"というお店。

この写真ではわかりにくいが、ベイクドポテトである。下に大きなじゃがいもがある。

日本でじゃがいも料理と聞くとそんなに魅力を感じないかもしれないが、ドイツのじゃがいも料理はしっとりして甘くてとても美味しい。

日本ではお米を色々な食べ方で楽しむように、ドイツではじゃがいも料理が発達しているのだろう。

 

日曜日はスーパーやデパートなどがしまっているのでフリーマーケットに行くのが旅行者のベルリンでの過ごし方の恒例らしい。

たくさんのアンティーク雑貨や食器がひしめいている。

値段はつけられていないので、店主に聞く必要がある。値段を聞くだけ聞いてうじうじしていると値引きしてくれることが多いのでやってみるといいと思う。思ったより高いものはない。

食器は2€ほどからある。ブローチなども5€ほどであった。

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アンティークの他に、このような作家物のインテリアや雑貨などもある。

こちらも良心的な価格だったように思う。

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18時ごろから出店者たちが片付けを始めたので、欲しかった鏡ばりの小物入れと薔薇のブローチを手に入れた。

小物入れは最初50€と言われたが、高いなと思ってうじうじしていると「いくらだと思うのかね」と聞かれ、15€と答えるとその値段にしてくれた。それでいいのか。

こわかった…。

しかしお気に入りのものを持って帰れたし、思い出にもなったからよし。

 

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とてもかわいい小物入れと薔薇のブローチ。

 

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そのあとはお茶をした。

世界各国のお茶が集まっている雰囲気のある夜カフェ。"Tadshikische Teestube"

ひとりだと少し入りにくかったと思う。店員さんのおすすめしてくれた中国の薔薇の紅茶を飲む。

 アプフェルシュトゥルーデルとナポレオントルテとロシアのチーズケーキを3人でシェアした。

どの味も日本で食べたことがないもので嬉しかった。

(大学院でやってみたい研究などについても話を聞いてくれてありがとう。)

今日はこれでおしまい。良い日だった。

 

 

月曜日

マウアーパークで壁を見忘れたので東のほうにある「壁の博物館」へ。

展示は映像の展示がメインだったが、英語の字幕もありわかりやすかった。展示に入る前に配られているチラシをもらうとすこし入場料が値引きされた。

 

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この風景は展示の途中で目立たない扉から外に出た時のものである。ベルリンの中央と少し趣がちがう。

 

 

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ここでも壁の破片がお土産として売られている。

天然の鉱物と同じで好きな色や模様をみつけると買ってしまいそうになる。

この壁の破片がお土産として世界中に散らばっていくことが平和の象徴のように思える。

 

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川沿いにある、壁の一部。猫ちゃんをみつけたので撮ってみた。このようにたくさんの人が自由に絵を描いている。

ベルリンの壁というとレンガ造りでもっと渋い雰囲気のものかと思っていた。

 

 

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そのあとはベルリン大聖堂へ同伴。

1ヶ月の滞在で好きな場所に2回いけてうれしい。

 

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今回は階段をのぼり、ベルリン大聖堂ミュージアムへ到着。

前回はこのミュージアムに至る前のパネル展示をミュージアムだと勘違いしてそこで撤退していた。

ミュージアムからさらにたくさん階段を登ったり小さな扉を通ることを繰り返すと展望台に出ることができる。

各国の高齢そうな方々とも階段ですれ違う。

遠い将来においてもこの展望台に登ることができるように普段からよく歩くようにしたい。

 

展望台からの景色。

今回一緒に旅をしてくれた方々、ありがとう

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