ドイツ日記 - ハンブルガー駅現代美術館、カプーアとの再会 -
バスと電車を乗り継ぎ、30分ほどのところにある語学学校へ。
朝早くすこし冷える空気の中通学していると、同じく通勤通学者たちがたくさんいて、自分もドイツで生活しているのだなと実感が湧いてくる。
私の通っている学校では先生がよく犬を連れてきていて、
授業の休憩時間などでクラスの扉が開いていると、自由に遊びに入ってきたりするのだ。
少しではあるが、この黒い犬とは仲良くなったかもしれない。
暇な留学生が相手をしてあげることにするが、やはり飼い主といた方がずっと楽しいのだろうなと思う。
日本にいる黒猫たちは元気だろうか。どうやら私のベッドとふわふわの布団を独占しているようだ。
朝は眠たくて学校を休もうかと毎日迷うし、出かけると決めた際も直帰して寝ようと心に決めている。
しかし学校が午前の11時に終わって晴れていたりするとどうしてもお散歩にいってしまう。
ドイツに来た頃から気になっていたドイツのカラスをやっと写真に収めることができた。
真っ黒ではなく、灰色の部分があって警戒心はまあまあある鳥だ。
灰色と黒のコントラストが洗練されているように見え、真面目な印象をうける。
調べてみると日本名はズキンガラス、学名は、Corvus Cornix 。北ヨーロッパ、東ヨーロッパ、東南ヨーロッパのほか、中東の一部地域で見られるらしい。
今日のお散歩の目的地はハンブルガーバーンホフ現代美術館にした。
この美術館はもともと駅だったところを改装したものである。
大きなチーズを切ったようなインスタレーションをみつけた。
Joseph Beuysという人の作品。
ラッシュなど、量り売りの石鹸屋さんでも見かけそうな質感だ。どういう材料で作ったのだろう。量感があるものはどうやっても人間の目をひく。
黒板がたくさん使用されているインスタレーション。こちらもJoseph Beuys氏の作品。このエリアのどの作品も空間を広く贅沢に使っている。
かかっているのは赤い粉だろうか、ケーキにもこのような仕上げを見かける気がする。
ANISH KAPOOR の << 1000 Names >>という作品。
世界各地に展示されている作品のようで美術館によっては赤以外のものも見られるようだ。
カプーア、と発音してみて気付いたのだが、この人は金沢21世紀美術館の通称 "カプーアの部屋"を作った人であった。
カプーアの部屋とは、
あまりにも深い漆黒の楕円がある部屋で、その楕円が平らであるのか膨らんでいるのか凹んでいるのか目を凝らしても分からない。
気づくと知らない間に心がその無機質なコンクリートの不思議な部屋と一体化していくように感じ、なにも分からなくなっていく。
ふと我に返ると長い時間をそこで過ごしてしまっていたりする。
なにも分からなくなりたい人は見に行ってみてほしい。
カプーアの部屋については
撮影禁止の作品だったと思うので、公式サイトを貼っておく
https://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=30&d=5
この作品の正しい題名は、世界の起源という意味である << L'Origine du monde >> -ロリジン デュ モンド-
ちょうどこのまえの夏に金沢旅行で鑑賞した作品だ。ここで再会できてうれしい。
これから、世界各地にあるカプーアの<< Sky mirror >>などにも今後ばったりと出会う気がするし、出会えたらいいなと思う
ちなみに東京都内では立川の街中でカプーアの「山」という作品が見られるらしい。