休憩至上ism

よく勉強してよく休む

魔女の笑い声

上野のモネ展にふらっといってみたがダメだった.

入れなかった.人気がありすぎる.

そこで,近隣で開催されているキュビスム展へ.

 

チケットを購入して入ろうとすると,

「すみませんお客様,長い傘はそちらに預けてください」

後ろから声が聞こえた.注意されると同時に,

目が外界を見ることをやめ,視線が内面にすっと引きこもってしまう.

係員さんの顔や表情がよく分からない.

「すみません...預けてきます」そう答えたと思う.

 

とにかく傘立ての方へ歩こう...注意されてからここまでが1.5秒くらいだと思う.

しわがれた笑い声が聞こえてきた.前方すぐから.

至近距離,顔をあげればぶつかってしまいそうな距離.

私に向けて笑っているようだ.

何が起こったかよく分からなかったが,

シルエットが一瞬見える.魔女のような人型が見える.

しわがれ声は続いている.とても楽しそうに笑っている.

(楽しそうなのは良いことだ)と一瞬だけ感情のようなものが頭をよぎる.

視線が落ちてしまって魔女の全体を明確に捉えられなかった.

 

明確に捉えたかった...そう思いながら傘立てに傘を預けた.