休憩至上ism

よく勉強してよく休む

ドイツ日記最終 - イギリス旅行から日本への半強制帰国

 

 

【あらすじ】筆者は春休みの語学研修としてベルリンに住んで勉強していた。

このたび同じくベルリンに留学している妹と一緒に一週間くらいのイギリス旅行に来た。

しかし旅行中にコロナウイルスの影響でヨーロッパの様子が急変してしまった。そして研修先のベルリンに帰れなくなる話。

 ※16日に初めてコロナウイルスの影響を直接的にうけました。

 

 

3月17日。

今日はロンドンからマンチェスターへの移動日である。

マンチェスターでも劇を観る予定である。イギリス初日に観覧したThe Seven Streams of the River Otaと同じ監督の作品だ。

 

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ユーストン駅からマンチェスターへ移動する直前に、隣のキングスクロス駅にあるハリーポッターのお店へ。

 

 

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蛙チョコレートや百味ビーンズ

 

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山盛りのヘドウィグ。これは欲しかったけれど、日本の部屋にあるたくさんのぬいぐるみを思い出してやめておいた。

小さなお土産を数点購入した。出発の関係で30分くらいの滞在だったが、もっと選びたかった感じがある。しかし来ることができて良かった!

 

マンチェスターへの移動中はオペラ座の怪人を少しみた。

人が少ないので広いテーブルのある席に座れる。

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他には、お弁当を食べたり指輪の写真を撮ったりして遊んでいた。ブルーグレイの石のものは母へのお土産に選んだラブラドライトである。

 

 

さて、マンチェスターの宿についてからTwitterでこんな記事を見かけた。昨日入れなかったクイーンズシアターの写真が載っている。

 

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やはり昨日の開演とりやめは、「技術的な問題」のせいではなかった。

コロナウイルス感染拡大を懸念した英国首相のボリスジョンソン氏からの要請だったようだ。

ギャラリーやシアターが閉まっていくのは悲しいが対応が早くて感心する。

また、ヨーロッパ圏にいると周辺諸国からの情報も入りやすくて国際的な出来事に関心が向きやすくなるのは素晴らしいと感じている。

位置情報が反映されて記事のサジェストなどが勝手に英語圏のものになっているのも関係しているかもしれない。

 

今日の夜ご飯はアジア料理屋さんへ

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妹が注文したベトナムフォー。ローストビーフのようなレアの牛肉が載っていて食べている間に火が通っていく。

 

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私が注文したシンガポールラクサカレー。

どちらも非常に美味しかった。

 

宿に帰り、マンチェスターでの演目も中止になっていることが分かった。コロナウイルス対策で世界中が動き出している。その速度は非常に速い。緊張感も出てきている。

 

旅の雲行きが怪しくなってきているので話し合って明日、ベルリンに帰ることになった。何事もうまくいきますように。

おやすみなさい。

 

 

3月18日。

マンチェスター空港へ。無人の空間に迷い込んでしまった。

すでに片方のターミナルが閉まったようだ。

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このあと無事に人の居るところに行けた。

しかし、いざベルリンへ出発という時に問題が起こった。ゲートのスタッフに「ドイツでの住民票」を見せることを要求された。

ドイツ側が入国審査を厳しくしたようだ。

 

私はベルリンでも旅行者なのでもちろん住民票は持っていない。

妹はベルリンに留学しているので住民票を持っているが、書類を携帯していない。

妹がiPhoneで撮影してあった住民票の写真を見せるがすこし切れているからという理由で却下された。

 

しばらく交渉していたがベルリン行きの飛行機は飛んでいってしまった。

色々な国からの旅行者らしき数名が取り残された。

その後来たスタッフに空港の広場に案内されて解散…救済措置はないらしい。

 

色々話し合った結果、妹はベルリンのルームメイトに頼み住民票の完全な写真を取り寄せてベルリンに帰ることになった。

私はこのままイギリスから日本に直に帰るしか選択肢がない…。

 

 

空港の椅子でぐったりしながら次の日の日本行きの飛行機を検索した。調べるべき情報がたくさんあり困難を感じた。

直行便などのチケットはエコノミーでも50万ほどに高騰していたり、手ごろなチケットを見つけたと思ったら見ている間に売り切れたりした。

 

世界中にいる日本人が焦っているのかもしれない。

乗り換えがあるものだと、その乗り継ぎ地の状況も気になる。飛行機が欠航になったなどの情報をみると震え上がってしまう。

 

結局のところマンチェスターからロンドンに帰り、ロンドンのスタンステッド空港からアラブ首長国連邦エミレーツ航空の飛行機で日本の羽田に帰ることにした。ドバイ経由である。

 

今日はベルリンにも帰れず、身動きがとれなくなってしまったので、マンチェスター空港の近くの宿をとった。

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値段は安かったがとてもきれいだった。

ずっと心配な気分ではあったが紅茶をいれたりゆっくりシャワーを浴びることが出来た。

すべて上手くいきますように。おやすみなさい。

 

 

3月19日。

マンチェスターからロンドンのスタンステッド空港への怒涛の移動である。

乗り換えは何度も確認したし、とても早い時間に出発した。妹とはマンチェスターのホテルでお別れした。心細い。

ベルリンでも集合してたくさんの場所に行ったしイギリス旅行も共にした。次は日本で無事に再会できますように。

 

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妹にもらったホグワーツの鞄と一緒にロンドンに向かう。

 

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ロンドンについてから検索したものだがマンチェスターとロンドンはこういう距離である。

もうちょっと良い帰り方はなかったのだろうか…でもきっと昨日のわたしは一生懸命検索してこの決断に至ったはずではある。値段と距離と時間と乗り継ぎ地の兼ね合いである。

 

ロンドンに到着した。

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時間がとても早いので最後にちらっとキングスクロス駅をみた。

 

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駅の中。最後の探索を味わった。

 

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2日前に訪れたハリーポッターのお店はもう閉まっていた。状況が刻一刻と変化している。

 

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いつもならハリーポッターのカートとヘドウィグに展示がなされており観光客に人気のスポットだが、何もなかった。

世界にあるすべてのものが緊急事態を表現しているようだった。

さらにこのあたりからWi-Fiが繋がらなくなってしまった。充電も不安だったのでここからしばらく写真がない。

 

スタンステッド空港にかなり早く着き、すこし探索をしていた。レストランや免税店やお土産ものを見た。

どうみても共通認識として不安定な状況ではあったが、楽しく接してくれるお店の人もいた。

心配なので専用の乗り物を使い、ゲートに早く移動してしまったが、ゲートの近くにはレストランもなかったので戻ろうとしたが空港の構造的に難しかった。

英語圏の老紳士も同じ目にあっていて、スタッフを説得して助けてくれた。スタッフ用の移動経路で待機場所に戻れた。

こうも親切な人に会うと嬉しかったが、ちゃんと人と距離をとって気をつけてほしいという気持ちにもなった。

 

本当にありがとう。もう巡り会うことは確実にないのだろうけれど、これからの人生が平和で幸せなものとなりますように。

 

 

さて、飛行機は無事にドバイに向けて飛んだ。

 

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ドバイでの乗り継ぎで羽田行きのゲートに来ると日本人がたくさん集まっていた。

こんなに集まれば欠航にはならないのではないか。まだ安心は出来ないがひとまずゲートについた自分を内心お祝いした。

Wi-Fiはここでやっと繋がった。心配してくれた方ありがとう。

 

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飛行機は無事に離陸した。離陸してしまえばもう大丈夫。あとは日本に着くのを待つだけだ。

しかし日本でもこのごろは思うように外出が出来ないと聞く。どうなってしまうのだろう。先のことは私にもまったく分からないし誰にも分からないのだろう。

落ち着いて自分の時間を過ごすしかない。

 

この飛行機の中で3月20日を迎える。

CAさんに、「貴方のしてる指輪とても好き」と褒められた。

ロンドン旅行の2日目にマーケットで買った例の指輪だ。

 

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不思議な映画を数個みた。

 

エミレーツ航空の飛行機の中では天井に星が光っていた。

 

 

これでドイツ生活日記はおしまい。