神奈川県の葉山まで内藤礼さんの展示を観にいきました。
新宿から電車で1時間半ほどかかりますが,通過駅には横浜や鎌倉などがあります。
降りてみたい気持ちになりながらも本日の目的地をしっかりと見据えて,そういった見どころのある地を通過していくのはちょっと贅沢です。
新宿から湘南新宿ラインで逗子駅まで行き,そこからバスで三ヶ丘まで行きます。
私も逗子駅に到着し,お弁当(八天堂のクリームパン)を持ってバス停に向かいました。
考え事をしながらぼーっとしていると (!?) ...体全体に衝撃が...。
目を上げると茶色いもこもことしたウロコ模様の背中があります...一瞬(もこもこだなあ...うちの猫に似ている...)という思考が流れ...るのと同時に八天堂のクリームパンが跡形もなくなっていることも理解します。
バス停で隣にいた女性も一緒に驚いており,その方に励まされ,もう一度お弁当がなくなったことを理解しました。
これはトビの仕業です。
逗子駅に着いたとき,こちらからは見えませんでしたがはるか上空から私のような油断している人間を探しているようです。後ろの死角から飛んできて八天堂のクリームパンに掴みかかり,そのまま飛んでいきました。
トビの爪による傷が入りました。
こんなことがありながらも13時ごろには無事に神奈川県立近代美術館へ。
神奈川県立近代美術館のようす。
美術館内の一室が内藤礼さんの作品の展示室になっていました。(写真は禁止でした)
まずは目的の内藤礼さんの展示に入り,お昼の太陽光が差し込む室内で作品を鑑賞。
内藤礼さんの探求するテーマは「地上に存在することは,それ自体,祝福であるのか。」
表面張力や重力,反射といったものに密かに含まれる恩寵を静かな空間で見守りました。
10代のころ,(生きている間にこの世を観光していこう)と考えていたことを思い出しました。
そのあとマンレイ展も観て,グッズショップに入りました。
店内
豊島美術館グッズ
豊島美術館Tシャツ
内藤礼さんが手がけた美術館である豊島美術館のグッズがありました。
私は心の中にこの美術館を建設しているほどこの美術館が好きなのでここでポストカードと内藤礼さんの本を買いました。
それから少し疲れたので美術館内のカフェオランジュブルーでチョコサンデーを食べましたが,これは室内だったのでトビにとられませんでした。
海が見える店内で一人でチョコサンデーを。
それから海辺へ...驚くほど静かで穏やかな波打ち際を持つ砂浜に出られます。このあたりは波が穏やかだからか,きれいな巻貝がそのままの形で落ちています。
一色海岸。
海を渡って一直線にこちらに渡ってくるような大きな太陽光と,波に乗ってゆらゆらときらめく小さな太陽光。
いつかビーズと缶で作ったおもちゃを傾けて耳元で聞いたような理想的な波音。
光の色が少しずつ変わってきたので,ここでまた内藤礼さんの展示室へ。
展示室から海が切り取られて見えるのですが,橙色の細かい煌めきが波に揺蕩っていて,それをゆっくり時間をかけて眺めているうちに脳内のどこかが確実にゆらゆらとほどけていく感じがします。これは紅茶をティーカップに注ぐ時に似た感覚でした。
夕焼けの砂浜
おまけ
砂浜で拾った小さな貝
お土産